2005年10月27日

薄板ステンレスリング

939a31d8.JPG工場で現在製作中のステンレスリング。板厚1.5mmで直径1500mmほどの品物。以前ブログで出した巨大扇風機に組合せて使う品物。製作中に真円が狂わないように多数の突っ張りを入れて、溶接を行う。ラッパ状の部品は、レーザー切断機で扇状に切ったものを、3本ロールベンダーで巻いて形を作る。写真は仮止め溶接の段階だが、これから全周溶接を行うと、溶接ひずみで直径が小さくなる。それを見越して、製作しないと寸法不良になる。
人気blogランキングへ投票


コスモテック〜のぞき見るものづくりの裏側
産業機械設計製作、製缶溶接試作加工 コスモテック

cosmotech at 23:00│Comments(11)TrackBack(0)製品 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 建コン一擲   2005年10月27日 23:42
おっ、久々の一番乗りか?

下水道の世界(管渠に限る)では、センチ単位の誤差は許容範囲です。
さすがに機械の世界は精密ですね。溶接ひずみって、計算できるものなんですか?それとも、職人さんの勘の世界ですか?




2. Posted by スーパー息子   2005年10月28日 08:04
ステンで厚み1.5mm。そして直径1500mm。
これを溶接して真円だすとですか。
驚きです。それも全周溶接とは。
ステンは特に溶接ひずみが大きく加工がやりにくいですね。
さすがです。
なるせさんところの職人さんのレベルとの高さそして確かさに
賞賛の拍手を送ります。
これこそがローテク技術、腕の立つ職人技術になせる技でしょう。

我が社の工場の職人にも是非とも教えておこう。
上には上がおると。
3. Posted by emiemi   2005年10月28日 08:23
なるせさんも溶接とかするんですか?

なんだか、最近、知らない世界のものづくりをいろいろ拝見できて、
それを一生懸命つくっている人々のブログ、メルマガを読んでみて

一生懸命がんばってるヒトってかっこいいですね
4. Posted by なるせたかあき   2005年10月28日 08:37
建コンさん、おはようございます!

溶接ひずみ、計算は難しいですね。やはり職人の勘ですね。
溶接以外の部分の剛性を見て、エイヤで“これくらい狂う”を予想します。
この品物は何回か作ってますので、過去実績があります。
だいたい0.3%程度狂います。1500mmの直径で5mm弱狂うわけです。この製品の製作公差はマイナス0、プラス3mmですので、見越して作らないと公差外れになってしまうのです。
5. Posted by なるせたかあき   2005年10月28日 08:57
スーパー息子さん、おはようございます!

この品物、炉内で使用するので、全周溶接でないとすぐにダメになるのです。
で、ステンレスの溶接、かなり縮みますよ。
建コンさんへのレスでも書きましたが、見越して作らないと公差外れになりますから。
ウチの職人、レベルは高いです。お客さんも認めていて、指名でくる品物が多いですから。



emiemiさん、おはようございます!

わたしは溶接はやらないです。もっぱら設計と営業、その他雑用です(笑)。
ものづくり、決して儲かる仕事ではないですけど、誇りはあります。

作ったものは、必ず世の中のためになっている。
世の中が必要としているものを、作り出している。
稼いだお金に相当するだけ、世の中が必要としているものを、送り出したんだと。

>一生懸命がんばってるヒトってかっこいいですね
嬉しいですね、ありがとうございます。
6. Posted by 圭子お姉サマ   2005年10月28日 11:22
おはようございます!

職人さんの芸術的な『腕と勘』で、仕上げていくって
ものすごいことですよね。
この技を受け継いでいく若者が、一人でも多くいることを
切に願っています。
7. Posted by なるせたかあき   2005年10月28日 12:31
お姉サマ、こんにちわ!

究極の手作りですから、ある意味芸術作品に近いかも。
この仕事を望む若者がいる事、願いたいですけど、ちょっと複雑。

ネックは将来的に、だれでもが、食える仕事かどうかということ。
やるのなら、本気でやらないと、絶対食えない。
将来のある人を、積極的に引き込めないです。

この世界、芸術系ほどの貧富の差はないです。
逆に言えば、稼ぐ人でもメチャクチャ稼ぐわけではないから、夢が持てるかどうかもあります。
8. Posted by 「社長の成功日記」吉田和彦   2005年10月28日 14:01
こんにちは。
うーん。製造業って雰囲気むんむんですね。
業界によっていろいろあるんですね。
見ていて面白い、勉強になります。
9. Posted by なるせたかあき   2005年10月28日 18:51
「社長の成功日記」吉田和彦 さん、こんにちわ!

ウチのような工場で作ってるもの、産業用ですので、普通ではなかなか目にすることないと思います。
こんな世界もあるということで、宜しくです。
10. Posted by かずこ   2005年10月28日 20:53
私も「圭子お姉サマ」の意見に同感なのですが・・・
いろいろ問題があるようですね。

う〜ん!世の中、思うようになりませんね!!
11. Posted by なるせたかあき   2005年10月28日 22:34
かずこさん、こんばんわ!

時代の流れって、大きいものがあると思うのです。
今のウチの職人がこの世界に入ったころ、日本は高度成長のはじまり。

この世界は腕ひとつでいくらでも稼げる。しかも人手不足という、当時の若者にとって、今のIT産業のような夢のある職場だったと思うのです。

その後の何回かの不況をくぐりました。
そして不況の時、並みの腕では、正直食えない世界になってます。
今は多少はいいですけど、不況の時を考えると、厳しいのです。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: